【祝】核融合科学研究所で重水素実験開始!

その他
03 /07 2017
岐阜県土岐市の核融合科学研究所において、大型ヘリカル装置「LHD」で、重水素を使った核融合実験が今日から開始されました!(´>؂∂`)❤

将来の実用化が期待されてる核融合炉で「磁場閉じ込め型」に主に分類される「トカマク型」と「ヘリカル型」のうち、ヘリカル型と呼ばれるタイプのものです。ねじるように配置されたコイルが特徴的です(っ`•ω•´c)かっこいい!


▲大型ヘリカル装置「LHD」(Credit︰NIFS)

そして、この装置で行われる「重水素実験」ってそもそも何なのでしょうか?

実は将来計画されている核融合炉では、燃料に重水素やトリチウムという、共に水素の同位体である物質を燃料として使用します。これらの物質は比較的核融合反応を引き起こしやすいので燃料として有望視されているのです。

核融合炉では重水素やトリチウムを高温のプラズマ状態にすることで核融合を引き起こさせます。LHDでは核融合反応そのものをたくさん引き起こしてエネルギーを得るわけではなく、重水素を使ったプラズマがどれくらい高い性能を出せるか、どういう状態になるか、核融合を引き起こしやすい状態にするにはどうすれば良いかを研究するのです。

‎未来の核融合エネルギーの研究の基礎的な部分に関わる重要な実験なのです(*♡﹃ ♡*)✨


▲「LHD」の内部。とにかくカッコイイ!!!(Credit︰NIFS)

★安全性とかについて

放射性物質であるトリチウムが生み出されるので、安全性とか大丈夫?と心配になる方もいらっしゃるかもしれませんが、全く持って安全です⸜(๑⃙⃘'ω'๑⃙⃘)⸝

‎重水素同士が核融合を引き起こすと、一定の確率でごく少量のトリチウムが生成されます。トリチウムは低いエネルギーのベータ線を出す、半減が約12年の放射性物質です。

発生したトリチウムはごく僅かな量である上に、その殆どは回収装置によって回収されますので、そこから環境に放出されるトリチウムは極めて少ない量になります(๑•̀ㅁ•́๑)✧

核融合実験施設「LHD」から重水素実験によって一年間に環境に放出されるというトリチウムの量は多くても僅か37億ベクレル程。
‎ ‎僕んちでも1個あたり10億ベクレル程のトリチウムで原子力電池を作って遊んだりしてますし、量で言えば極めて少ないのです。

10億ベクレルより少ない量のトリチウムはそもそも放射性物質として扱われないのです⸜(๑⃙⃘'ω'๑⃙⃘)⸝なので普通にネットでも買えるほか、一部の夜光時計にも使用されてます。

また核融合の時に発生する中性子線も遮蔽体という強力な壁で防げますし、プラズマの発生も装置の電源を切ればすぐ止まるので安全です。

今後も順調に研究が進むと良いですね!(っ`•ω•´c)✨
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プルトニウム、実は超伝導体になる!?

その他
03 /04 2017
お久しぶりです。なんかめちゃくちゃ久しぶりなブログ更新な気がします。
今日は「核物質であるプルトニウムが超伝導体になる!」というネタをどうぞ★

超電導とは何か?

さてはて「超伝導」といえばリニアモーターカーや粒子加速器などで利用されているものです。
そもそも超伝導とは何か、と言うと電気抵抗がゼロになるという現象です。
普通のそこら辺にある電線などには電気を通しやすい銅などの金属が使われてますが、どうしても電気抵抗が存在しているのでロスが生じてしまうのです。

通常の物質では、電気を伝える電子はバラバラに動いているような状態であるため、
電気抵抗が少なからず存在する状態になってしまうわけです。
超低温の環境では電子2個が「クーパー対」というペアを組んで、その物質の電子が全て一緒くたに整った状態(コヒーレントな状態)になります。そのため、抵抗がゼロとなる超電導の状態になるのです。

電子は「フェルミ粒子(フェルミオン)」という種類の粒子なのですが、このタイプの粒子は「パウリの排他律」という制限によって全ての粒子が同じ状態になることができません。そのため、そのままでは全ての電子が同じ状態になるという超伝導は実現できなくなってしまう。しかし、電子がペアになると、そのペアは「ボース粒子(ボソン)」となります。「ボース粒子」は全てが同じ状態になることができるため、ペアとなった電子は全て整った状態になり、超伝導という状態が現れるのです。これが「BCS理論」と呼ばれるものです。

つまり超伝導というのは、量子レベルの現象が物質全体に及ぶという面白い現象なのです。
とにかくめちゃくちゃ温度を下げさえすれば超伝導状態になる物質というのはたくさんあるのですが、何度で超伝導になるか、というのは物質によって異なるのです。できればそんなに冷やさなくても超伝導になってくれる物質があれば、様々な面で応用しやすいというメリットがあります。

中には液体窒素よりも高い温度で超伝導になってくれる物質もありますが、実はこれらは前述の「BCS理論」では説明できないものもあるのです。物質の温度が40ケルビンを超えてくると、熱振動という現象によって電子のペアが壊れてしまうためです。そのため、こうした高い温度で超伝導になるという「高温超伝導体」や、有機物によって超電導が起きる「有機超伝導体」は従来の一般的なBCS理論とは異なる理論によって超伝導状態になっている「非従来型超伝導」と呼ばれるものなのです。そして、こうした特徴を持つ超伝導体は「エキゾチック超伝導体」と呼ばれたりしています。

プルトニウム超伝導体

さて、核燃料やら核兵器やらでおなじみの核物質「プルトニウム」。こちらも実は、コバルトとガリウムの合金である「PuCoGa5」、もしくはロジウムとガリウムとの合金である「PuRhGa5」といった化合物にすると、何と超伝導体になるのです!

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▲プルトニウム超伝導体「PuCoGa5」(Credit:LANL)

このプルトニウムが引き起こす超電導も、通常の超伝導体とは異なる「非従来型超伝導」です。これは特に「重い電子系超伝導体」と呼ばれるもので、セリウムやウランといった物質で生じる特殊な超電導です。

プルトニウムの原子の中には電子がいくつか存在していますが、その中でも「5f軌道」と呼ばれる場所にいる電子がこの通常と異なる超伝導の原因になっていると考えられています。「重い電子系」というのは、電子同士がお互い強く影響し合う事によって電子が動きづらい状態となり、そのために電子の重さが見かけ上大きくなってしまうという現象です。そのため「重い電子系」と呼ばれています。

普通の超伝導体は磁場があると電子のペアが作りにくくなってしまうため、基本的に「磁性」と「超伝導」は仲が悪いと考えられてきましたが、この重い電子系超伝導体の特徴は、「磁性と超伝導が共存できる」など不思議な性質があります。

またプルトニウムは放射性ですので、放置しているとどんどん無くなってしまいます。そのため超伝導体としてもその性質が時間とともに変化していったりします。

このプルトニウム超伝導体は中々、製品や技術などに応用できるものではありませんが、プルトニウムが持つ5f軌道の電子は、プルトニウム自身が温度に応じて複雑な「相変化」をする原因の一つにもなっているため、重い電子系超伝導に関する謎だけではなく、プルトニウム自身の性質を解き明かすことにもつながります。

物質には隠された色々な面白い性質があるかと思うとワクワクしますね!ヽ(=´▽`=)ノ✨

放射性廃棄物を安全に処理する「ガラス固化」の技術

その他
09 /10 2016
原子力発電における使用済み核燃料の再処理(リサイクル)では、使い終わった核燃料から燃料としてまだ利用できるウランやプルトニウムを、それ以外の高レベル放射性廃棄物と分離することができます。

使い終わった核燃料をそのまま捨ててしまう場合よりも、放射性廃棄物を単体で取り出すことができるので、放射性廃棄物の量を減らすことができるのです。

そもそも高レベル放射性廃棄物とは何でしょうか?原子炉ではウランやプルトニウムが外からの中性子で核分裂を起こしていますが、この核分裂で割れて出来た核分裂生成物(FP)や、ウランやプルトニウムに中性子が当たったのに核分裂を起こさず、そのまま別の物質になってしまったマイナーアクチノイド(MA)というものが核燃料を使えば使うほど中にどんどんたまってくるのです。

これらの物質は不安定で、半減期が短いものが多く、放射能は結構はやく減衰するのですが、一部には非常に長い半減期を持ち、また発熱性のものも多いことから取り扱いが面倒という特徴があります。

こうした放射性廃棄物を核燃料と分離して取り出すのが再処理なのです。再処理によって放射性廃棄物だけを取り出せるので、ゴミとしての「かさ」は減らすことができるのですが、そのぶん「濃く」なっているのでその放射能は極めて強いのです。

で、その取り出された高レベル放射性廃棄物はどうなるのでしょうか?

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実はこんな風にガラスと混ぜて固体にしてしまうのです。再処理によって取り出された高レベル放射性廃棄物は液体だったりするのですが、液体の場合漏れて何処かに流れて行ってしまう可能性があるなどして非常に危険です。なのでこうしてガラスで固めてしまうのです。

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網目のような構造になっているガラスに、放射性物質を絡め取っているようなものですので、割れても即座に放出されたりとかはしません╰( º∀º )╯ガラスは非常に安定性の高い物質で、周りに水があったとしても非常に溶け出しにくくなっています。たとえばガラスのコップに飲み物を入れて飲んでも飲み物にガラスが溶け出していったりはしないですよね。

ただ、100パーセント溶け出さないかというとそうでもなく、水流などに晒された場合に削り取られてしまったり、ゆっくり滲みだしてしまう可能性もあります。なのでこのガラス固化体をステンレスや粘土といったもので周りを固めまくった上で、地震などの影響を受けにくい地下300メートル付近の岩盤に埋めるのです。

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この高レベル放射性廃棄物のガラス固化処理には、ガラス成分と高レベル放射性廃棄物を混ぜて、溶かしてから固めるため、金属製の容器をマイクロ波で加熱するAVM法(メタリックメルター)と、セラミック製の容器を直接通電で加熱するLFCM法(セラミックメルター)の2種類が主に利用されてますヾ(  ˙³˙  )ノ゙

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こちらの写真はフランス原子力庁による、AVM方式でのガラス固化処理の様子です。

日本の六ケ所村の核燃料再処理施設ではLFCM法が用いられています。一時期この方式で、核分裂生成物(FP)に含まれる白金族が温度の低下によって析出されてしまい、ガラス固化体がうまく作れないという事がありました。核分裂生成物(FP)には様々な物質が含まれているため、この中には高温でも溶けにくい白金族などの物質もあります。なのでちょっと温度が下がった場所があったりすると、そこで溶けていた白金族が固まって出てきてしまったりするのです。そのため、溶融炉の温度管理を精密に行えるように回収することで解決されました。

熱電子放射体「六ホウ化ランタン(LaB6)」の特徴と応用

その他
09 /08 2016
熱電子、とはあまり聞き慣れない言葉かもしれません。しかし実は割と身近なものでもあります。というのも天上にある蛍光灯がまさに熱電子を利用している装置なのです。

蛍光灯のフィラメントにはタングステンなどの材料が使用されています。タングステンは小さいエネルギーで熱電子を外部に放出しやすいという特徴があります。蛍光灯ではタングステンから放出された熱電子がガラス管内部の水銀原子に衝突し、励起された(エネルギーを得た)水銀原子からは紫外線が放出されます。この紫外線が蛍光体によって可視光線に変換され、私たちの部屋を照らしてくれているわけです。

そしてタングステンのように小さいエネルギーで電子を放出しやすい(「仕事関数」が小さい)材料として「六ホウ化ランタン」と呼ばれるものがあります。「ランタン・ヘキサボライド」、「LaB6(ラブシックス)」とも表記されます。

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このキレイな赤紫色の物質がLaB6です。

タングステンよりも熱電子を放出しやすいというだけでなく、極めて硬く、融点も非常に高いという優れた性質を持っています。長い寿命を実現しやすいことから、様々な分野で利用されています。



熱電子放射体としてのLaB6の用途は、「電子顕微鏡」、「熱電子発電」、「宇宙機の電気推進システムや、粒子加速器用のイオン源」など様々な用途が存在しています。

・電子顕微鏡

タングステンよりも熱電子を放出しやすいので、電子を観察に利用する電子顕微鏡においてはその空間分解能(どれだけ細かく見れるか)を向上させることができます。電子顕微鏡において電子を発生させる電子銃と呼ばれる機器に用いられます。


・熱電子発電

あまり聞き慣れない方式の発電システムですが、宇宙用原子炉などにおいて、原子炉の熱エネルギーを電気エネルギーに変換する技術です。熱電子放射体であるエミッター(陽極側)を原子炉熱で加熱し、そこから放出される電子をコレクター(陰極側)で受け取る事で電力を発生させるというものです。より効率よく熱を電気に変換できるよう、熱電子を放出しやすいLaB6の使用が検討されています。


・イオン源

宇宙探査機に搭載されるエンジンには、長距離を航行するため燃費の良いエンジンが求められます。その一つが小惑星探査機「はやぶさ」にも搭載されたイオンエンジンなどの電気推進システムです。これはキセノンなどのガスをイオン源で電離させプラズマを作り、高電圧の電場で加速させて放出させることで宇宙探査機を飛ばすというものです。

プラズマを作るためにはタングステンやLaB6を使った電極から電子を放出させ、推進剤ガスにぶつけて生成する「直流放電式」という方法と、マイクロ波で電子を加速して推進剤ガスにぶつける「マイクロ波放電式」の2種類があります。

「はやぶさ」に搭載されたイオンエンジン「μ10」は「マイクロ波放電式」ですが、アメリカNASAの「ディープスペース1」などは「直流放電式」が利用されています。直流放電式を用いたイオンエンジンにおいても、性能も高く、寿命も長いLaB6が重宝されます。

ちなみにマイクロ波放電式は直流放電式と比較して電極が無いので「電極をゆっくり予備加熱をする必要がない」「電極の損耗による寿命がない」などの特徴があります。

イオンエンジンだけでなく、ホールスラスタやMPDといった別の電気推進システムでも用いられる、放電用のホローカソードと呼ばれる部品にもLaB6の使用は検討されています。

こうしたイオン源は宇宙探査機だけではなく、地上の大型の粒子加速器にも使用されていたりします。


LaB6は普段聞き慣れない物質ではありますが、こうして様々な特殊な用途で活躍しているのです!

高エネルギー加速器研究機構「KEK」の見学に行ってみました!

その他
09 /07 2016
先日、茨城県はつくば市の高エネルギー加速器研究機構「KEK」の一般公開に行ってきました。
巨大な加速器や超カッコいい機械が見放題の神イベントです。

朝方家を出まして、北千住駅でつくばエクスプレスとレール削正車を撮ってみました(♡˙³˙)

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事業用車はいいぞ!

つくば駅に着くとお友達の皆さんご一行の車に乗せて頂きました!
ありがとうございます!10時過ぎごろにシュッとKEKに到着いたしました。

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ともにゃん

宇宙開発や原子力が大好きな魔法少女(文系成人男子)です。同人サークル「東方旅客鉄道」「隙間科学研究所」の中の人。絵描いたり同人誌書いたり。たまに女装コスプレイヤー。 人工衛星・宇宙探査機/原子炉・原子力電池/核兵器・軍事(現代兵器)/ゴスロリ女装/自作PC/まどマギ/東方/無線/バイク/鉄道/創作など。日本原子力学会員

88年生まれ
三重県出身 東京都在住

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