現在、チュリモフ・ゲラシメンコ彗星を周回し、着陸機フィラエの投下地点を探している欧州宇宙機関(ESA)の彗星探査機「ロゼッタ」。
2004年に打ち上げられてから、今年2014年にチュリモフ・ゲラシメンコ彗星に到着するまでの10年の間に、スィングバイと呼ばれる惑星の重力を利用した加速と方向転換を繰り返してきました。
地球、火星、地球でもう一度、その後小惑星シュテインスに接近、地球でさらにもう一度、小惑星ルテティアに接近して木星軌道近くまで行って冬眠し、チュリモフ・ゲラシメンコ彗星に到着したのです。
地球で3回、火星で1回、そしてその間に居た小惑星2つを観測して、彗星に到着したというわけです。
惑星探査機はこのように何度も惑星を渡り歩きながら観測を行ったりするのです。

▲これは着陸機の「フィラエ」に搭載されたCIVAと呼ばれるカメラで撮影された写真です。太陽電池パドルの向こうにチュリモフゲラシメンコ彗星が見えます。

▲そしてこちらは7年前に火星をスィングバイした時に上の写真と同じアングルで撮影された火星です。可動式の太陽電池パドルがそれぞれちゃんと「昼」の方向、つまりちゃんと太陽を指向してることがわかる写真でもあります。
こうして同じアングルで、探査機と共にそれぞれ違う天体が写っているというのは貴重な写真です。太陽系を旅する車窓を眺めているような気分にさせてくれます。