先日のファルコンヘビー、すごかったですよね!
ファルコン9の大型発展型として、コアステージを3本束ねた大型ロケット!
一段目1機あたりのエンジン数が9基なので、合計27基!とんでもない…
VIDEO ▲ファルコンヘビー打ち上げの様子
いやもうロケットとそのエンジンもさることながらですね、
ペイロードですよ、ペイロード。
ペイロードっていうのは要するに荷物なわけです。
ロケットの荷物といえば人工衛星とかまあそういうもんなわけですけど、
ファルコンへビーは試験機だからって何故か電気自動車を積んできました!!!
テスラのロードスターというお車。なんということでしょう。
やばい。「ちょっと火星言ってくるワ」ってノリのこちらのポーズ
うーんすばらしい
車はそこまで興味なかったんですがロードスターの模型とかちょっと欲しくなってしまった…
ちょっとアマゾン屋さんあたりでポチってしまう可能性がございますね。
地球をバックに宇宙を飛ぶ真っ赤な電気自動車のとんでもないインパクトは一生忘れられなさそうです。
それにしても打ち上げたのが普通の地球周回軌道ではなくまさかの火星遷移軌道とかいうもうほんとすごい。
でも投入された軌道について調べてみたらまさかの火星軌道ぶち抜いてその先のベスタとか、なんかそこら辺まで行ってしまう軌道…電気自動車という重いペイロードを、ロケットの二段目と共に、スィングバイもナシでこの軌道に投入するとか言う…
惑星間軌道に何かを投入しようとすると、効率の面で三段目のロケットを積んだり、打ち上げてから地球やその他の惑星の重力を利用して加速するスイングバイ航法を使ったりするわけですけれども、ファルコンヘビーの場合は二段構成なのにも関わらず、猛烈な打ち上げ能力で火星よりちょっと先の遠日点を持つ軌道に投入しちゃったわけです。やばい。
今後、ロケットに三段目を搭載したりしたら、外惑星探査機なんかの打ち上げも夢ではないかもしれません。天王星や海王星のオービターや、ボイジャーのように太陽系外へ飛んでいく探査機もイケそうです。
そして打ち上げ能力もさることながら、あの「帰ってくるブースター」もとんでもないです。ロケットから切り離されたブースターが2機同時に着陸するとかいうとんでもないものを見てしまって凄すぎて笑ってしまいました…
まるで逆再生してるかのようにロケットを逆噴射しながら戻ってくる様子はもうなんか本当にSF映画か何かのようです。これまで「再利用できるロケット」といえばスペースシャトルのような有翼の往還機のイメージがとても強く、いわゆる普通のロケットというのは「使い捨てるロケット」というのが半ば当たり前のような感じでしたが、ファルコン9やファルコンヘビーは、そのロケットを再利用しようというわけで、いやもう凄い話です。しかも衛星を保護するカバーであるフェアリングの回収も将来的には検討するとかで、有翼機とはまた異なるロケット再利用の時代が来そうです。
★いろんなヘヴィリフトビークルなロケット ファルコンヘビーのような大重量のペイロードを打ち上げ可能なロケットをちょこっとご紹介してみちゃったりする系のアレです。
低軌道に20トン以上、かつてのスペースシャトルに匹敵する打ち上げ能力を持つロケットをヘヴィ・リフト・ヴィークル、「HLV」と呼んだりするそうです。
・アンガラA5 VIDEO ▲アンガラA5の打ち上げ
ロシアのロケットです。2014年に打ち上げに成功しました。アンガラはロコットやゼニットといったICBMを転用したロケットの置き換えなどを実現しつつ、大重量ペイロードの打ち上げまで目指した汎用性の高いロケットのシリーズです。
アンガラは一段目のコアモジュールを「URM(ユニバーサルロケットモジュール)-1」と呼んでおり、アンガラA5では中心のURM-1を取り囲むように、さらにURM-1をブースターとして4基搭載しています。搭載しているエンジンはケロシンと液体酸素を推進剤とするRD-191を搭載しています。ちなみにこのRD-191はロシア版スペースシャトルと言われる宇宙往還機「ブラン」の打ち上げにも使われたロケット「エネルギア」のエンジンRD-170の派生型でもあります。RD-170は燃焼室が4つありましたが、RD-191ではこれを1つにしています。
・デルタIVヘビー VIDEO ▲デルタIVヘビーの打ち上げ
アメリカのデルタIVシリーズの大重量打ち上げ機バージョンで、一段目のコモン・ブースター・コアを3本束ねたロケットです。搭載されたRS-68エンジンは液体酸素と液体水素を推進剤とした世界最強クラスのロケットエンジンです。打ち上げ時はゆっくりと打ち上がっていき、一段目が自らの噴射炎で黒くなっちゃったりするロケットです。2012年まではRS-68エンジンが使われていましたが、それ以降は改良型のRS-68Aエンジンを使用しています。
主に軍事衛星の打ち上げなどのほか、2014年にはオリオン宇宙船の無人試験機であるEFT-1の打ち上げにも成功しました。
・スペースシャトルとSD-HLLV 少し時代は戻りまして…数年前に引退したスペースシャトルは大きな打ち上げ能力を持ちつつ、往還機として再利用できるロケットのイメージの最たるものですが、あえて使い捨てバージョンとして発展させたコンセプトが「SDV(Shuttle-Derived Launch Vehicle)」です。
1970年頃からあった「マグナム」は低軌道に80トンの打ち上げ能力があり、人間を火星に送り込むことも検討されていました。その他試験機が打ち上げられるに留まった「アレス」も一段目やブースターにスペースシャトルの固体補助ロケット(SRB)を発展させたもの搭載するなどしていました。
▲マグナム(Credit:NASA)
スペースシャトルをそのまんま使い捨てにしたようなものとしては「シャトルC」があり、こちらは寿命が最後の1回となったスペースシャトルのメインエンジン「SSME」を搭載して打ち上げようというものでした。スペースシャトルは有人機であるため、その有人区画や大気圏再突入用の翼など、ペイロードの打ち上げ時には「重り」になってしまうものが一切無いため、打ち上げ能力が高いというのが特徴です。
▲シャトルC(Credit:NASA)
▲SD-HLLV(Credit:NASA)
「シャトルC」はポシャってしまいましたが、その後2000年代に再び似たようなコンセプトとして「Shuttle-Derived Heavy Lift Launch Vehicles(SD-HLLV)」があります。シャトルCとごっちゃにしちゃってたのですが、よく見ると形状が結構異なります。SD-HLLVの方がちょっと太めになっているのと、有人ペイロードにも対応しているのが特徴です。
こうしてみると国や時代によって色んなロケットが検討されたりしててとても面白いです。
お気に入りな推しロケットを探してみてくださいね!!!
…世界のとか書いておきながらほぼアメリカやん紹介してるやつ