核兵器を世界に拡散させない、IAEAによる核物質の「封印」技術

その他
08 /20 2016
現在、原子力を平和目的で利用している国が、それを核兵器開発に転用しようとしたり、またその原料となる核物質を外国に売ってしまったりすると大変なことになります。核兵器の拡散、つまり核兵器が世界に広まってしまうと、それだけ核兵器が使用されてしまう可能性が高まってしまいます。

そうして核兵器が世界に広まってしまうという事態にならないよう、NPT(核不拡散条約)という国際条約があります。そこで原子力施設が平和目的以外の用途に使用されていないかIAEA(国際原子力機関)に報告し、またその査察を受け入れるという「保障措置」が実施されています。

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核燃料が持ち去られていないか、ウランがやたら濃縮されてないか、原子炉が不自然な再起動を繰り返していないか、そういった事を特殊な測定装置などを用いて辻褄が合うかどうか測る「計量管理」や、特殊なカメラや封印を使った「封じ込め/監視」、人が見に来る「査察」が、保障措置で行われてます。

よくフィクションでは極秘裏に開発された核兵器が…みたいなのがありますが、基本的にそんなことしたら現実では一発でIAEAにバレます。論文やメーカーの公開情報確認やら、人工衛星による監視、周辺の環境中の微量な物質の監視など色々なツールで核物質の平和利用が見られております。

核物質の「計量管理」はお金を数えたりするのとは違ってあくまでも「測る」ということ、さらに核燃料の再処理や製造などでは、核燃料が液体になったり粉末になったりと状態がどんどん変わったりするなどの理由でどうしても誤差が出ます。なのでその誤差の範囲に収まってるかどうかが重要になります。


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国際原子力機関「IAEA」は各国の原子力施設で核物質が正当に扱われているか、報告通りの物かどうかを調べるために放射線分析技術や化学分析技術を利用して核物質の解析を行ったりしています。


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「IAEA」は原子力施設の核査察の際に、核物質の入った容器やその関連機器に「封印」を実施たりします。
これは「コブラ・シール」という封印で、光ファイバーが入っており、そのパターンを照合することで開封・未開封が判断できます。


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IAEAが用いる核物質に対する封印は上の「コブラ・シール」以外にも色んな種類がありますが、その中でもこれは金属封印と呼ばれるものです。


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金属封印の内部を撮影した珍しい写真がこちら。
ワイヤや固有の傷を核査察の際に照合することで未開封かどうかを判定できます。


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封印には粘着シールを使ったものもあります。これは単純に破れてたらアウトというものです。

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ともにゃん

宇宙開発や原子力が大好きな魔法少女(文系成人男子)です。同人サークル「東方旅客鉄道」「隙間科学研究所」の中の人。絵描いたり同人誌書いたり。たまに女装コスプレイヤー。 人工衛星・宇宙探査機/原子炉・原子力電池/核兵器・軍事(現代兵器)/ゴスロリ女装/自作PC/まどマギ/東方/無線/バイク/鉄道/創作など。日本原子力学会員

88年生まれ
三重県出身 東京都在住

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