まさに要塞!「柏崎刈羽原子力発電所」に遊びに行ったら色々凄すぎた件!

原子力
10 /13 2016
先日新潟へ二泊三日の旅行へ行ってきました☆
今月は越後湯沢にツーリングに行ったりもしてたので、新潟祭りでございますね。
そのへんはまた別記事で是非!

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はい、そんなわけで、旅の一日目に遊びに行った「柏崎刈羽原子力発電所」!
そちらをピックアップしていきたいと思いますねェ~

10月8日の朝、上野駅から新幹線に乗って新潟方面へGO!

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いやー新幹線ってテンション上がりますよね!ゴオーってめっちゃ速いし!!!最高ですね!
E4系MAX「とき」の1階席に乗ったのですがスピード感がたまりません。
たった二時間程度で東京都から日本海側の新潟に到着してしまいました。
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長岡で新幹線を下り、信越本線と越後線を乗り継いで刈羽駅に到着いたしました!

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刈羽駅!無人駅!!!遠い所まで来ました!って感覚はやっぱりテンション上がりますね!
柏崎刈羽原子力発電所にはこの刈羽駅が最寄りとなります。
もうこの時点で超テンション高かったですね!初めて行く原子力発電所はドキドキするものです!イヤッホウ!


★柏崎刈羽原子力発電所ってどんな原子力発電所?

規模は何と世界最大!とても大規模な東京電力の原子力発電所です。
敷地面積の420万平方メートルってだいたいディズニーリゾート2つぶんです。超広い。

7基ある原子炉はすべて沸騰水型軽水炉(BWR)というタイプのものです。
そのうち2基は改良型沸騰水型軽水炉(ABWR)という新型の原子炉でもあります!


★素敵な広報館

発電所の敷地はとても広いのですが、その脇にサービスホールと呼ばれる施設があります。
発電所の敷地と比べると小さく見えてしまいますが、これも実は中々広いです。

中ではBWR Mk.2の原子炉模型(1/5サイズ)などがあったり、
展示は核燃料サイクルから地層処分の話まで幅広く色んな事を解説してくださっています。

ほぼ実物大の燃料集合体模型や、制御棒の解説などのほか、
従来型の沸騰水型軽水炉(BWR)と、改良型沸騰水型軽水炉(ABWR)の違いを解説した模型などなど…
マニアにもたまりません。

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1/5サイズの原子炉模型の前で極めてハイテンションになる僕。いい笑顔。
原子力発電所でいい笑顔する人選手権大会」とかあったら絶対応募してたと思う。

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改良型沸騰水型軽水炉(ABWR)の模型。超かっこいい。
マジでこの模型欲しい。

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放射性廃棄物のドラム缶。ゴジラのご飯かな!?それと僕。いい笑顔。


★最上階から眺められる原子力発電所

展示会の最上階は展望室になっていて発電所敷地内を見ることができます。
双眼鏡が2つ備え付けられており、ちょこっと顔を覗かせる原子炉建屋や排気筒が見れます。
ほか、ライブカメラまで備え付けられており、安全対策のための設備なども見ることができます。

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双眼鏡にがんばってスマホをくっつけて撮影!原子炉建屋だー!イエーイ!これは1~4号機のうちのどれかです。


★なんと発電所構内の見学ができる!?!?!?

原子力発電所の構内に立ち入るには特別な許可が必要なのですが、
広報館に来た時に「休日には一日四回程、構内の見学ツアーを実施中です。」と受付のおねーさんに教えて頂きました。
原子力発電所の構内ツアーなんてのがあると知らずに来たものですから、
「エッッッッ!!!中見れるんですかァ!!!」と大変喜んでしまったものです。
構内に入るには免許証などが必要なのですが、普通に持ち歩いてたお陰で中に入る許可を頂くことができました。

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こちらは東京電力の方で用意していただいた車です。こちらに乗って解説を聞きながら発電所構内を周ることができました。

しかし残念ながら核物質防護の都合で構内での写真撮影はNG
しっかりと眼を見開いて積極的に脳裏に焼き付けていきたいものです。


★実際目で見た安全対策の数々

東京電力の方に発電所構内を案内して頂きながら、様々な安全設備を紹介して頂きました。

【柏崎刈羽原子力発電所】発電所の安全対策(東京電力)


こちらでも紹介されていますが、異常事態が起きても、外部に放射性物質を放出させる事の無いような対策が厳重にされていました。いやあこれは本当にビックリしました。

先の福島第一原発事故では、①地震で起きた津波の影響で、②発電所内での電力供給が絶たれて、③原子炉を適切に冷却できなくなったので大きな事故につながってしまいました。その経験から、①水を中に入れない、②電源を確保する、冷却機能を維持するという対策を重点的に取ることになりました。

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発電所のサービスホールでこんなパンフレットも頂きました。
色々な対策がまとめて書かれていますね。

内容をピックアップしてみますと

●敷地内や建屋への浸水防止

万が一津波が来ても、発電所の敷地内や原子炉建屋に水が入ってこないようにたくさんの対策がされていました。

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(引用:東京電力 http://www.tepco.co.jp/kk-np/safety/tsunami/index-j.html#bochotei



海側には巨大な防潮堤が設置されており、津波を防ぐようになっています。強力な津波が来たら押し流されたら壊されたりするのでは?と思われがちですが、岩盤まで到達するような基礎を設置したり、乗り越えてきた津波に根本を掬われて倒れないように「逆T字型」になっているのが特徴です。

さらに重要な機器を収めた建屋や、原子炉建屋は水密扉で覆われているので万が一、津波が防潮堤を乗り越えてきて敷地内が水没したとしてもそうした建屋内に水が入らないようになっています。そのため様々な配管の周りなどにも防水などの処理をしたりしています。

●消防車とか代替海水熱交換器車

とにかく消防車がものすごーーーくたくさん居ました。ヤバイです。
明らかに普通の街にある消防署の10倍くらい消防車が居ます。

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(引用:東京電力 http://www.tepco.co.jp/kk-np/safety/cooling/how/index-j.html



普通消防車って、「○○市消防本部」とか書かれていたりしますが、ここでは「東京電力」と書かれています。
民間企業が保有する消防車ってのもなかなか興味深いところです。発電所に来たつもりが超巨大な消防署に来たような気分になりました。凄すぎる!!!!!見たことのないような大容量送水車とかいうのもあったり、本当にビックリです。


(引用:東京電力 http://www.tepco.co.jp/kk-np/safety/cooling/how/index-j.html



さらにこうした消防車などが使うための2万トンもの水をためた貯水池もあります。貯水池ほんと大きかったです。ヤバイ。

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(引用:東京電力 http://www.tepco.co.jp/kk-np/safety/cooling/how/index-j.html



そしてこちらは「代替海水熱交換器車」という車両です。大型トレーラーです。これがズラッと並んでいたこれまた壮観!
原子炉の冷却水を、海水で冷やすための設備が動かなくなった時、その設備の代わりに海水を使って冷却水の温度を下げることができます。原子炉建屋までこの車両を持っていき、接続口にこの車両を繋ぐとの事です。

《発電所の安全対策》代替海水熱交換器車(東京電力)←こちらで詳しく解説されてますね!(∩´∀`)∩

●ガスタービン発電機と発電機車

発電所は電気を作るところですが、異常事態が起きた時に外部からの電源が絶たれると設備を維持できなくなってしまいます。万が一送電線から電気を受け取れなくなった場合に備えて非常用ディーゼル発電機があらかじめ備わっていますが、これに加えてさらにガスタービン発電機とか電源車がたくさん配備されることになりました。

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(引用:東京電力 http://www.tepco.co.jp/kk-np/safety/cooling/power/index-j.html


こちらは「ガスタービン発電機車(GTG)」です。制御車と発電機車の2台1組で使われる大きなシステムです。
航空機にも使われるジェットエンジンが搭載されており、これによって発電機を回して電気を作り出します。
もう凄いです。これもデカイですしなんかもう見ててポカーンとなってしまいます。

たくさんの軽油を使うので、5万リットルくらい入る地下燃料タンクなどが設置されている建物にほぼ直付で使用するそうです。
半固定式なので普段は動かさないそうですが、状況に応じてタンクローリーを連れて移動することもできますし、
ガスタービンのメンテナンスの為に工場へ走っていくことも可能だそうです。
ただ航空機用のエンジンであるため、道路走行時の振動が悪影響を与えることもあり、慎重に運ばなければいけないそうです。

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(引用:東京電力 http://www.tepco.co.jp/kk-np/safety/cooling/power/index-j.html


こちらは電源車です。ガスタービン発電機車よりは出力が小さいものの、数も多く配備されているそうで、それぞれの設備に必要な電力を供給できるそうです。

●その他

他にも色々な安全対策がいっぱいされていました。「免震重要棟」の拡充だとか、万が一炉心が損傷してしまった時、発生した水素ガスによって原子炉建屋が水素爆発しないよう、水素を処理してくる「水素処理設備」だとか、非常時に注水するための「コンクリートポンプ」車もあったりしました。

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(引用:oelcheck https://www.oelcheck.de/en/knowledge-from-a-z/lubricants-on-duty/bau/putzmeister-offering-quality-worldwide.html



このコンクリートポンプ車もこんな超巨大なのが居たりしてビックリしました(゚д゚)!

うーん凄い、以前に中部電力の浜岡原子力発電所も見学させて頂きましたが、もうほぼ同じくらいの凄まじい対策っぷりです。原子力発電所でこんなにたくさん特殊車両が見れると思っていなかったのでホントにビックリしてしまいました。

原子力発電所ではこうした見学をさせて頂けるところもありますので、是非機会がありましたら観に行ってみてくださいー!!!原子力発電所の再稼働がどうこうと話題になったりすることもありますが、色々と調べてみると興味深い技術や設備もたくさんあります★ヽ(=´▽`=)ノ

軽く週末に遊びに行くノリで、美味しいもの食べに行きつつ原子力関係の施設などに行ってみませんか!
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今井智大原子力

いまいともひろです。

偉大なる88年生まれ
偉大なる三重県出身 偉大なる東京都在住
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