【宇宙】火星探査車キュリオシティの記憶装置トラブル

その他
03 /04 2013
http://www.nasa.gov/mission_pages/msl/news/msl20130228.html
Computer Swap on Curiosity Rover


先日NASAから、キュリオシティのコンピュータにトラブルがあり、科学データの受信ができないとの発表がありました。

先週水曜日に火星周回軌道上の探査機を経由してデータを受信しようとした所、テレメトリデータのみが送られ、科学観測データを受信できず、また指令されていたスリープモードへの移行が実施されていなかったとの事でした。

キュリオシティに探査データは膨大なものになるため、メインコンピュータであるRCE(ローバ計算要素)にはデータ保存用に2GBのフラッシュメモリが搭載されています。

このメモリの特定のアドレスに破損があり、その影響で科学データの保存と読み出しができなかったとの事でした。

キュリオシティでは現在メインコンピュータのRCEをこれまで使用していたRCE-Aから全く同じ冗長系のRCE-Bに切り替えた上で、科学探査を一時中断して最低限の機能に絞ったセーフモードへと移行しています。

原因は究明中ですが、これは一時的なものだそうで数日のうちには科学探査を再会する見込みだそうです。
重症ではないようで良かったです。



原因がデータ通信時に判明した理由としては、

キュリオシティは地球上のNASAの深宇宙通信ネットワーク(DSN)との通信を行う
アンテナを3つ搭載しており、

●周回軌道上の探査機を経由して地球と通信を行うUHFアンテナ
「マーズ・リコネッサンス・オービター」を使用した場合最大2Mbps
「マーズ・オデッセイ」を使用した場合最大256kbps

●直接地球と通信を行えるXバンド高利得アンテナ(HGA)
最大32kbps

●直接地球と通信を行えるXバンド低利得アンテナ(LGA)
最大15bps

の3つを搭載しています。
キュリオシティは直接地球と通信することもできますが、科学データは膨大な量に及ぶため、主に火星を周回する探査機を中継して地球へ伝送されます。「マーズ・リコネッサンス・オービター」ですと搭載された高利得アンテナ(HGA)は3メートルにも及ぶため、高い利得で多くの情報を送ることができます。

「マーズ・リコネッサンス・オービター」は元々HiRISE(ハイライズ)という極めて高解像度に火星表面を撮影できる高性能カメラを搭載している探査機の為、その大量の画像データを送れるように設計されています。キュリオシティと探査機との通信はエレクトラと呼ばれる通信システムが用いられます。

しかしながら周回する探査機がキュリオシティの上空を通過し、丁度通信が可能になる時間帯(上空通過パス)のは1日のうちで、2機の探査機がそれぞれ8分づつ、合計16分に限られます。

この他に欧州宇宙機関(ESA)の「マーズ・エクスプレス」による通信も可能だそうですが基本的はNASAの2機で行われるようです。

そのため先週水曜日の上空通過パスの際、データを受信しようとしてトラブルが発覚したのではないかと思います。

早めに復旧して科学探査を再開し、活躍を続けて欲しいですね…!ガンバレキュリオサン!
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ともにゃん

宇宙開発や原子力が大好きな魔法少女(文系成人男子)です。同人サークル「東方旅客鉄道」「隙間科学研究所」の中の人。絵描いたり同人誌書いたり。たまに女装コスプレイヤー。 人工衛星・宇宙探査機/原子炉・原子力電池/核兵器・軍事(現代兵器)/ゴスロリ女装/自作PC/まどマギ/東方/無線/バイク/鉄道/創作など。日本原子力学会員

88年生まれ
三重県出身 東京都在住